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音楽家の赤木有為子さんがイギリスで暮らしていた時のことを優しい文章で綴ったエッセイ。

数々のイギリス料理とそれにまつわるエピソードが丁寧に書き綴られていて、まるでイギリスの生活を経験したような気分が味わえます。

イギリスは食事がとにかくマズイという噂をよく耳にするけれど、この本のなかで紹介される料理はどれもすごく美味しそう。

アイルランドに旅行に行きたいと思っていたけれど、イギリスにも死ぬまでに行ってみたいなぁ。
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著:吉本ばなな

「王国」シリーズ以来の長編作品。

ばななさんの作品はこれまでもファンタジー要素は結構あったけれど、ここまで不思議な物語は初めてかもしれない。

最初は少し戸惑ったものの、なんとか最後まで読みきりました。
次作からの展開が楽しみです。
著:島崎藤村

これまでの人生で島崎藤村の作品を読んでこなかったけれど、Kindleで作品集があったので、電車の中で読むために購入。

たくさんの作品が収録されているのですが、島崎藤村と言えばこの作品かなと思い、『破戒』を最初に読むことにしました。

戒めの意味も、それを破るということがどういうことかも、読むまでは全く知らなかった(仮に学生証時代授業で学んでいたとしても記憶にない)ので、テーマのあまりの深刻さにとまどいました。

同和教育については、学生時代に道徳の授業で学んでいるものの、この『破戒』を読むまでは考える機会さえなかったことに気づきました。

この作品をきっかけに、現代の差別について調べたところ、いまでも差別を受けている人びとがいることを知り、衝撃というか、同じ世界のこととは受け入れることができませんでした。

『破戒』の主人公丑松は苦しみの果てに、僅かな光を見つけたけれど、そこに至るまでに描かれた主人公の地獄のような苦しみ、さまざまな人間の恐ろしさに、読み終わった後もショックが抜けない状態です。

差別はどんな理由があってもいけないこと。

この作品を通じて、すべての人が正しく差別について理解するべきだと感じました。
著:宮沢賢治

最近よくAmazonの青空文庫を利用しています。

よだかの星は、主人公のよだかが、どこにも居場所を見つけることが出来ず、どこか遠くへ行って死んでしまいたいと願う、とても悲しい物語でした。

美しい言葉で綴られている物語ですが、読み終わったあとまで、悲しみの余韻が続きます。

宮沢賢治の自然や生き物を愛する心を感じる物語でした。
本屋さんでタイトルを見て気になっていたけれど、自分で買うことはないなと思っていた小説。
会社で貸し出されていたので読んでみることに。

イマドキの小説という感じで、よくもわるくも軽い文章で、文章だけで言えば全然好きではないです。
インパクトがありすぎるタイトルも好みではない。
高校生で余命1年の女の子という設定も、「世の中のみなさんはこういう泣かせられる系の物語好きでしょう」というあざとさを感じる。

でも、そういうことを超えて、完全に引き込まれました。
まるで村上春樹の小説から抜け出してきたような主人公の少年の感情の薄さに、最初は戸惑いましたが、物語を読み終えるまでには、それ自体が物語に欠かせない要素だったのだと、綺麗に納得させてもらった気がします。

最近はあまり面白い小説に出会っていなかったので、目がページを追う速さに自分自身ついていけないような感覚は久々でした。

少女漫画を読んでいるような、胸の奥がキュッとなる作品でした。
芥川賞を受賞した作品ということで、読んでみました。

主人公はこの世界では異端として扱われる存在ではあるけれど、その純粋さに胸がチクチクしました。

もしこの主人公が自分の近くにいたら、主人公の周りの人間と同じように、腫れ物に触るように扱ってしまうかもしれないけれど、主人公の心を通じてこの世界のことを考えたときに、問題があるのは多数派でしか生きられない人々の心で、彼女の心が異常なわけではないと、素直に思いました。

どこか自分にも似ている、愛すべき主人公の、小さな物語でした。
仕事でJavaに触れる機会があるので、少しでもプログラム言語に対する抵抗を和らげる目的で読んでみました。

いきなり技術本を読むよりは親しみやすいと思いますが、本当にプログラムの経験がない人には基本的な説明が足りないように思いました。
著:吉本 隆明、 糸井 重里

吉本氏と糸井氏の対談集。

和歌山生まれ和歌山育ちの私にとっては
東京の下町の「隣の家の冷蔵庫の中身を知っている」という生活は遠い国のお話のように感じますが、吉本さんの思想とか生き方にはやっぱり下町で過ごした時代というものがベースにあるのだろうと思う。

同じ時代を生きていないので、学生運動とかそういったものについてそもそもの知識がないのだけれど、人としての生き方、考え方のまっすぐさに、心を打たれるし、
言葉なんでほとんどが誰かの使い回しなのに、ハッとさせれらるメッセージがたくさんあって、とても良い本です。
女優、中谷美紀さんのエッセイ。

女性らしくおしとやかなイメージが強いけれど、エッセイからうかがい知れる中谷さんは、結構男性っぽくサバサバした感じ。

あの通りの美人なので黙っていても魅力的だけど、好奇心旺盛で行動力があって物事に対してハッキリモノをいうところが最高に素敵。

インド旅行記も面白かったけど、このエッセイは中谷さんのリアルな日常に迫ることが出来るので、同じ女性として非常に興味深かったです。

ないものねだり (幻冬舎文庫)
ドストエフスキーの中編小説。


ドストエフスキーの小説らしく、やはり登場人物はそれぞれ問題を抱えていて、でもその問題が結局何かと言われると難しく、短い物語ながら、解釈に悩む物語でした。

色んな形の愛があって、愛するが故の苦悩が鋭く描かれていたのが印象的でした。


どの作品を読んでも、一回では咀嚼しきれないのがドストエフスキーの作品なので、またいつか読み返してみたいです。
自分なりの思想というのは、生きていく中で得ていくものですが、それを与えてくれるのはやはり、多くのことを経験してきた年輩の方であることが多いです。

私はよしもとばなな先生の小説を愛しているけれど、そのお父様の著作物というのは今まで読んだことがありませんでした。

ばななさんの産みだす物語を愛することと、そのルーツに触れることは私の中では完全に切り離されていたからです。

今回初めてこの『真贋』で吉本隆明氏の思想に触れて、やはりばななさんのお父様だからというのはありますが、とにかく深い感銘を受けました。

その文字から受ける感動は、ばななさんの物語から受けるそれと似ていると感じました。

この本に書かれていることは本来であれば決して特別なことではありません。

けれどとても大事なことがたくさん書かれています。

これからの人生で、私が自分自身の思想を模索する上で大切な一冊になると思いました。


ロシア生まれのアメリカの作家、ウラジーミル・ナボコフの小説。

たまにはロシア文学以外の本を読もうと思って手にしたら、結局ロシア人作家だったという不思議な巡り合わせ。


いわずと知れた有名作。
かなり狂気的で衝撃的な物語でした。
中年男性が12歳の少女を深く愛し、破滅していく姿を淡々と描いている物語。

一言で語るには難しいですが、面白かったです。
生理的嫌悪感を抱きつつもページをめくらずにはいられない面白さでした。

スタンリー・キューブリック監督で映画化されているので、今度は是非映画を観てみたい。
タイトルだけ知っているという人は多いであろう名作。

意外とファンタジー要素の強い作品でした。

前半は印象が薄いけれど、途中からすごく面白くなって、一気に読めました。
椿姫の中に登場する有名な物語 。

読んでみて、椿姫はマノン・レスコーのリメイク作品のようなものなのだなぁと思いました。

マノン・レスコーは娼婦を主人公に取り上げた最初の作品らしいのですが、主人公たちの性格が激しすぎて、なかなか素直に感動が伝わらなかったのが残念です。

どうしても椿姫と比べてしまうので、先にこちらを読んでいたら、また違う感想を抱いたかも。

面白かったけれど、個人的にはなんかモヤモヤが残る感じでした。
「星の王子様」で世界的に有名なサン・テグジュペリの自伝小説(と言ってよいのか分からない)。

小説家あるいは哲学者だとばかり思っていたけれど、本当の職業は、郵便物を運ぶ職業飛行家らしく、これは自らの体験を綴った作品でした。

感想を一言で述べるのは難しいけれど、とても素晴らしい本であることは伝えることが出来ます。


スタジオジブリ、宮崎駿監督があとがきを書いておられて、またそれにも心を揺さぶられました。

人間は飛ぶ能力を得たことで、どれほどのものを失ったのか。

その問いかけが、この物語の核とも言える気がしました。

他の作品ももっと読んでみたいです。
著者:フョードル・ドストエフスキー


ロシア文学界の代表作家であるドストエフスキーの超有名作。


この作品はロシア文学初心者には不向きだったかもしれない。


登場人物の名前を覚えるのに一苦労で、物語に向き合えるようになるまでかなりの時間がかかりました。

ちょうどこの物語を読んだ頃、大学の授業でも文学の授業をとっていて、この「罪と罰」を題材に小論文を書きました。

主人公ラスコーリニコフの見た夢から示唆されるその後の物語の展開などについて書いたところ、A評価を頂けました!

小論文を書くために何度か部分的に読み返したので、結構色んな場面が印象に残っています。


しかしまあ一言で言うならとても重苦しい物語です。
正直、主人公の思想については共感し難く、彼の行動については全く擁護出来かねました。


この物語で実際に注目すべきなのは、主人公を取り囲む周囲の登場人物なのかなと。
みんな、現実の世界のどこかにたしかに居るような人たちで、そこから物語にリアリティが生まれているのだと感じました。


面白いかどうかと問われれば難しいけれど、心に深く残る物語であることは確かです。


まだ一度読んだだけなので、おそらく今後読み返す度に新しい感想が出てくると思う。



世界文学の頂点に君臨する物語を読みきったという達成感が味わえるのも、この物語の価値のひとつなのかなあと。
著者:スタンダール


時代背景や物語の主なテーマはアンナ・カレーニナと近かったかな。

貴族社会と宗教について色濃く描かれているのはその頃の主流なのかな。

所謂禁断の愛もテーマとしては欠かせない。


ナポレオンを崇拝し、出世欲が非常に強い美少年が主人公で、自分の存在価値をあげるために周囲の女性を支配することに執念を燃やし、やがて本当の愛に目覚めていくというような物語。

登場人物達のヒステリックな性格にはなかなか付いていくのが難しかったけど、面白い作品でした。
著者:カポーティ
訳者:村上春樹


これはすごく面白かった!

オードリー・ヘップバーン主演の映画が世界的に有名ですが、私は映画を観たことがなかったし、物語のあらすじも知りませんでした。

この物語ではヒロインの魅力が一番の吸引力。

村上さんの物語で言えば「ノルウェイの森」のみどりのような雰囲気かな。


訳が凄く良いというのもあるだろうけど、無駄のないストーリー展開と、ラストの潔さに読後感がなんとも清々しい。

海外作品を普段読まない人にも凄くオススメ!



著者:デュマ・フィス


映画や舞台や戯曲として有名な作品。
予備知識なしで読んだけれど、今まで読んだ古典の中で一番感動しました。

囚われの身である高級娼婦とひとりの青年との、哀しくも美しく愛に満ちた物語。

読んだ直後にもう一度読みたいと思うくらい、魅力的だった。


訳が読みやすかったのもよかったかも。
著者:ゲーテ


実はゲーテに関する知識を持ち合わせていない私。
ゲーテって哲学者か詩人かなんかだと思っていたので、物語の存在を知りませんでした。

物凄いマイナス思考の青年が主人公で、とても共感出来るものではなかったけれど、その苦悩の深さに興味を持たずにはいられない、そういう類の読物でした。
著:アゴタ・クリストフ


何の知識もなく読んだので、普通に衝撃を受けるよりもさらにすごい衝撃を受けた作品。


淡々とした文章の中に、悲痛な叫びと豊かな感情が溢れていた。


固有名詞が伏せられていたけれど、読み進めていくうちに、ある時代背景が浮かび上がってくる。


それは先日読み終えたアンネの日記の時代と出来事にリンクしていた。

本に呼ばれている時には、こういう偶然がよく重なる。


アンネの日記を読んで深い悲しみに包まれていた私にとっては、癒えない傷を再び痛めるような気分だった。


戦争が人を狂わせるのではい、人が狂っているから戦争が起こるのだ。

知ってはいたけれど、この物語を読んで改めてそれを知ったような気がします。



読み終わったあと、次に手にとった作品で、この物語が三部作であることに気付きました。


たまたま順番通りに読んだけど、この作品に関しては、順番も意味を持たないような気がする。


とりあえずすごい作品。
ドストエフスキーの「罪と罰」にならんで、不朽の名作として有名なレフ・トルストイの代表作。


古典を読むにはある程度読書の鍛練が必要だと思う。
「アンナ・カレーニナ」も読み終わるまでかなりの時間を要しました。(私の場合通勤の時間だけ読んでいるので尚更)


しかしながら文章の美しさや登場人物の生き生きとした描写や様々な哲学が織り込まれているこの小説は、現代人が読んでもとても新鮮な印象を受ける素晴らしい作品だと思う。


ひとつの人生経験として大長編の物語を読むことで、心がとても満たされることをあらためて感じる作品でした。


世の中に映画も沢山出ているようなので、そちらも観てみたい。
世界的に有名な本でありながら、なかなか今まで読む機会もなく生きてきましたが、ある日突然呼ばれた気がして手にとりました。


ユダヤ人迫害
アウシュビッツ強制収容所ヒトラーの独裁政治


単語だけは何度も耳にしてきたけれど、その歴史についての私の知識はあまりにも浅く、アンネの日記を通じて初めて暗黒時代の輪郭を捕らえました。



アンネの日記は、豊かな表現力と知識、生命の輝きに満ちた力強いメッセージで溢れていて、心が激しく揺さぶられました。


家族のこと、隠れ家での生活、友情や恋、平和と戦争、生と死。


普通であれば齢15歳の少女に、こんな文章がかける筈がない。
かと言ってあの狂乱の世で凄まじい日々を送っただけで書けるものでもない。


彼女が持っているものは疑いようもなく並外れた才能。

もしも彼女が生きていたら、今の世の中が違っていたんじゃないかと思うくらい、彼女の書く文章は凄すぎる。


世界は理不尽なことだらけだと叫びだしたくなるほどに、私はこの日記に強い感銘を受けました。


今を堕落しながら生きる全ての人に読んでもらいたいです。
フランツ・カフカの「変身」、凄い。

今でこそこれくらい奇抜な設定は有り触れているけれど、100年前にこんな作品を書いちゃったら、さぞかし変人扱いされただろうな。
著:川上弘美


読むたびに私をその独特の文章の中へ引きずり込んでいく川上さんの小説。
この『真鶴』の引力も相当でした。

失踪した夫を呪うように愛し続ける主人公「京(けい)」の、子供のような純粋さと、鬼のような執念深さが入り混じった強い想いに、胸を打たれることもあれば恐怖を感じることも。

女の凄みを集めて煮詰めたような京の執着心・・・普通の男性なら相当引くと思う。

謎は謎のまま、という部分も多かったけれど、川上さんの作品だから深く疑問を持たずにありのまま受け止めることが出来ました。

私の中で川上さんはもうすでに「ちょっと気になる作家さん」から「好きな作家さん」に昇格したので、どんな作品を読んでもきっとそれなりに受け止められると思う。
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