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林さんのエッセイにかなりはまりつつあります。
このエッセイは林さんが28歳の頃に執筆されたものらしいのですが、内容が赤裸々且つ攻撃的で凄く面白かったです。
芸能人の名を実名で挙げて「この人が大嫌いなんです」と書いてあったのにはひっくり返りそうになりました。
キレイ事や体裁などブチ壊した真理子節の炸裂ぶりに、恐怖と同時に爽快感も得られるエッセイ。
とても良い映画でした。
観始めた瞬間から「この映画は良い」と予感して、それが裏切られることの無い作品でした。
とにかく役者さん達の演技にいちいちドキドキしました。
目だけ、表情だけでこれ程までにダイレクトに心情が伝わってくるものだろうかと感心。
それが主な登場人物だけではないから凄い。
ほんのワンシーンしか出てこない人達も、その表情や立ち居振る舞いからバックグラウンドを想像させる程。
フィルムに収められたいくつもの鮮やかで瑞々しい風景、流れる音楽、それらも全て素晴らしく、映画の途中何度もハッとさせられました。
性同一性障害、性的虐待、ドラッグ、親子愛、友情、恋、など濃厚なテーマを沢山含んでいるにも関わらず、観終わった後はとても清々しい。
性同一性障害に苦しむ主人公を演じた方が、最後まで女性なのか男性なのか分からなかったのですが、予備知識無く観たのが大正解。
緻密に計算された優れた演技に心から拍手を送りたい。
タイトルの通り、この作品の中には愛と死、その両極に位置するものがぎゅっと詰まっています。
自分の愛する人の死が、いかに辛く悲しいかがひしひしと伝わってくる物語でした。
なんともいえない虚無感。嵐のような孤独感。
それでも生きてく、生きていこうとする主人公の前向きな姿に心うたれました。
文章はとても読みやすく、すっと感情移入出来ます。
登場人物たちの嫌味のない言動行動にも好感が持てて、悲しい物語ながら何処か爽やかな雰囲気を携えている作品。名作です。
著・中谷美紀
女優中谷美紀さんのインド旅行記の第2弾。
今回の旅の舞台は南インド。
この南インド編では、中谷さんが精神的に結構ギリギリになっていく感じが危うくて、「この人なんでこんな思いをしてまで旅行をしているんだろう」と不思議に思いましたが、それも含めてなかなか面白かったです。
様々な寺院についてや、インドの神々についてのお話はかなり興味深く勉強になります。
ガネーシャの頭が象である理由とかの神話の類が凄く面白かった。
けれど、観光以外でインド人に騙されたり、嫌な思いをさせられる場面も多く見受けられ、読めば読む程インドにはあんまり行きたくないなと思ってしまいます。
凄く興味が湧いたと同時に私はインドの旅行は無理だわと。
英語が完璧に話せて信頼出来る人が一緒なら、行ってみたい気もします。
読み物としては文章も内容も充実しているので、彼女の文章が好きな人にはお勧めです。
インドに旅行しようと思ってる人は、読んでおくと「こういうコトに気をつけた方がいい」っていうのが勉強になるかも。
23歳のOLが自殺を図るが失敗し、そこから徐々に立ち直っていく物語。
普通に面白いのだけれど、主人公の性格の軟弱さが気になる。
意思がハッキリしなくて流されやすいので、イラっとする部分が多かった。
あと、たいして人生に苦労もしていないのに自殺を図ろうとするのも共感出来ないなと。
人間関係が上手くいかないのは本人に問題があるわけだし、仕事が出来ないのも自分の努力が足りない所為。
どちらも状況の改善はそれ程難しいコトでは無いのに、何も努力せず「生きていても仕方がない」と決めてしまう主人公を、読み手としてどうしても応援出来ないのが正直なところでした。
物語の主人公を好きになるか、主人公の気持ちや行動に共感・納得出来るか、というのは物語を好きになるかどうかの大きなポイントですね。
この作品すごく面白かったです。
不思議なコトが起こる物語だけれど、基本的には純粋な恋物語だと思った。
淡々と紡ぎ出される文章の至る部分に、思わず何度も読み返してしまう素晴らしい比喩表現が散りばめられていて飽きるコトなく読み進められます。
誰もが孤独で、誰かを愛していて、誰かに愛されている。
時には距離を縮めながら、時には遠く離れながら、心の中の誰にも侵されたくない領域を守りながらも必死で他人を求める登場人物達の姿にはとても共感出来ました。
物語の中で起こる事件については真相が読者にも明かされないのだけれど、それは突き放すような沈黙ではなく、想像力を生かすことの出来る余白なのだと私は思う。
人によっては「結局あれはなんだったの?」と思うかも知れないけれど、自由に物事を想像するコトを楽しむコトが出来れば、この物語を読んだ後の満足感は大きいのではないかと。
1660年代イギリスを舞台に、一人の劇作家の壮絶な人生を描いた物語。
感情移入がしにくく気を抜くと展開に追いつけない、ある程度の集中力が必要な作品。
画的に始終陰鬱な雰囲気なので、王宮や貴族の華やかさとは無縁。
ちょっと集中力が足りない時に見た所為か、好きでも嫌いでもない感じでした。
それでも最後まで観ようという気になるのは、ジョニーの優れた演技のおかげでしょうか。
欲望と虚無感の狭間で魂を燃やしながら生きる姿は見応え有りです。
著・林真理子
二人の女性がヒロインの物語。
二人は親友同士で、ひとりは宝塚歌劇団に所属、もうひとりは有名な大会社の孫娘で、出版社に勤める。
二人とも普通以上に裕福で優雅な家庭環境に育ち、少しばかり俗世間から距離を置いた人生を歩んでいる。
その為、スーパー一般人な私には非現実的であり、全くの別世界の物語で世界観は共有し難かった。
けれど、宝塚歌劇団の内部事情についての描写はかなり面白い。
芸能関係中心のシーンも多いので、華やかだし興味もそそられる。
見所は、ふわふわと甘く幸せな人生を歩んできた二人のヒロインがそれぞれ、屈辱や絶望を味わうところでしょうか。
それまでは人形のように生きてきた二人が、永遠の幸せなどないコトを知り初めて人間味を帯びていく、その過程が好きでした。
なんてこと無い物語だけれど、自分とは無縁な世界を垣間見る面白さはありましたね。
題名くらいは知っていたけれど、読むのは全くの初めて。
主人公の青年の物凄くひとりよがりな恋物語。
なかなか面白くて夢中になりました。
古い作品なので、言葉の言い回しや漢字の使い方に感心するコトが多かったです。
題名で物語の結末はもうほとんど分かっていたけれど、この作品では主人公の親友の、言葉や態度に注目するのが私は面白かったです。
主人公があまりにも単純すぎて馬鹿だなぁと思わずにはいられませんが、それはきっと彼の愛すべき部分なのだと思います。
人間というのは結局、どんな時でも自分が一番可愛いものだなぁと実感させられる物語でした。
著・中谷美紀
好きな女優の一人である中谷美紀さんの、インド旅行のエッセイ。
30日以上にも及ぶ長い旅で経験した、日本では味わえない雰囲気や出来事が沢山描かれている。
中谷さんの文章を拝見させて頂いたのは今回が初めてなのですが、ボキャブラリーの多さと表現力の豊かさ、そしてところどころに散りばめられたユーモアな部分など、長いエッセイでも飽きるコトなく最後まで読み終えました。
このエッセイを読むコトで彼女の容姿だけではない美しさの理由も分かる気がします。
ただ、このエッセイを読んでインドに行きたくなるかどうかは別かも。
良い面も悪い面もストレートに描かれているので、不衛生な場所や危険な場所にはなるべく行きたくない私としては、インドへ旅するのは何かと煩わしそうだなぁというのが正直なところです。
なかなか忙しくて旅行に行けない人は、これを読んでインドへ行った気になるのも良いかと。
この小説ちょっと凄かったです。
ものすごく引き込まれました。
平和そうにみえても、一歩踏み込めば「異常」としか言えない家庭というのは世の中にいくらでもあるものですが、この物語の登場人物達の家庭もまさにそう。
周りから見ればどんなに異常な家庭環境であっても、その世界にいる人間にとってはそれが全てで、家庭の外の常識など意味を持たない。
極普通の家庭に育っていたら理解出来ないような家庭環境をすんなり納得させてしまうのは、ちゃんと理由が描かれているからだと思います。
肉親であっても、本当に憎んだり恨んだりするコトは、そう珍しいコトではない。
本気で復讐するコトだって出来る。
それが理解出来ない人はきっと普通に幸せな家庭に育っている証拠。
その分、良くない家庭環境で育った人にとっては、自分の状況とは違えど傷をえぐられる様な暴力的な物語かもしれない。
人間と言うのは良くも悪くも適応能力に優れている生き物であるというコトが皮肉を込めて丁寧に描かれていて、かなり面白かった。
著・唯川恵
ずっと想いを寄せていた男性が、自分の親友と結婚。
けれど結婚して間もなく、彼と自分は元々想い合っていた事実が発覚。
しかも二人の想いが通じ合わなかったのは、他でもない親友の裏切りによってだというコトを知る。
事実を知り、二人は純粋な気持ちで付き合い始めるが、彼は今や既婚者。
本来なら彼と恋人になり、結婚して夫婦という関係になっていたのは自分だった筈なのに、周りから見れば不倫以外の何物でもない関係。
最初は彼と想いが通じ合っただけで幸せだったが、次第に「こんな筈ではなかったのに」という思いに苛まれ、徐々に暴走していく。
普通に面白い作品でしたが、登場人物の個性が薄い気がしました。
どの登場人物も割りと冷めているというか。
描く人によってはもっと激しく切ない、またはドロドロな不倫物になっていたかと思いますが、案外あっさりとしていました。
アリシア・シルバーストーン主演、お金持ちのお嬢様の青春コメディ。
ブリタニー・マーフィが出ているというコトでレンタルしてみたのですが、ブリタニーがかなり若い。
ダサいコトが大嫌いな主人公が、学校の冴えない教師同士の恋を実らせてあげたり、転校生の田舎くさい女の子を華麗に変身させていく物語。
けれど周りの人がどんどん幸せになっていく反面、自分自身の冴えなさに気付き愕然とする。
何もかも上手くいっていた時から逆転して上手くいかないことばかり。
それから自分を変えようと心に決め、自分にとって本当に大切なものを見つけていく。
アメリカのハイスクール事情が垣間見れてなかなか面白かった。
あの授業態度、日本ではありえない!
日本人が真面目すぎるのか、アメリカ人が自由すぎるのか。
この映画のブリタニーは、現在の美しくキュートな彼女とは別人でした。
「この子が10年経ったらあんな綺麗になるのか!!?」
ってくらい。
でもこの当時から演技に確実に光るものが。
主演のアリシア・シルバーストーンがとってもキュートでした。
あどけない表情の奥に潜む艶っぽさなどが素敵。
なんてことない映画だけど、観終わった後、なんとなくハッピーな気分になれる作品でした。
途中から観る機会がなくなって、シリーズを最後まで観ないままだったので、ついにレンタルし始めました。
ニューヨークのどこにでもいるような男女6人の友情と恋のコメディドラマ。
どのキャラクターも個性豊かで嫌味もなく、6人皆それぞれ好きになってしまいます。
かなり久々に観ましたが、やっぱりすごく面白いです。
DVDセット欲しいくらいですが、10シーズン合計30枚のDVDセットは定価12万6千円らしいです…。
著・宮本輝
水の都バンコクが舞台の長編小説。
タイ人で王家の血を引き、内閣の官僚である男性に見初められた美人の日本人女性。
このままタイで生活し彼と結婚するのか、それとも区切りを付けて日本へ帰るのかを迷う主人公の心の葛藤を描いた物語。
全体を通して恋愛色の濃い作品でした。
いくつもの恋が複雑に交錯し、タイならでは(といって良いのか解らないけれど)の男色家も多く登場するので、ちょっと理解しがたい部分も多かった。
全体を通してみると恋愛物なのだけれど、ひとつひとつが結構淡白。
こういう部分が男性作家さん的だなと。
政治問題も絡んでくるので、ちょっとややこしい部分も多かったけれど、水の都バンコクの熱気や湿気が伝わってくるような風景描写、そしてタイの習慣についてさり気なく勉強できるところが面白かったです。
若い頃に男運を使い果たし、独身でいる為に会社でのキャリアも上がらず冴えない日々を送る女性の物語。
キャリアアップの為に結婚式で偶然出会った青年を利用し、婚約者が出来たと会社の上司に紹介。
それをきっかけに昇進、さらには今まで自分に見向きもしなかった男性が近寄ってきて、嘘が切っ掛けでどんどん思い通りの人生を手に入れていく…というような物語でした。
ドラマとしてはフツーに面白いと思うけれど、感情移入するには登場人物たちの情報が若干足りなかったかも。
主人公の母親のコト、そして最終的に恋に落ちる彼のコトをもう少し丁寧に描いてくれたら、もっと素敵な物語だったろうなと。
ジェニファーのキュートさもあまり発揮されておらず残念!
でも最初の冴えない姿と、昇進後急激に華麗さを放つ雰囲気の変化はとても良かったです。