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著・村上春樹


この作品すごく面白かったです。
不思議なコトが起こる物語だけれど、基本的には純粋な恋物語だと思った。

淡々と紡ぎ出される文章の至る部分に、思わず何度も読み返してしまう素晴らしい比喩表現が散りばめられていて飽きるコトなく読み進められます。



誰もが孤独で、誰かを愛していて、誰かに愛されている。
時には距離を縮めながら、時には遠く離れながら、心の中の誰にも侵されたくない領域を守りながらも必死で他人を求める登場人物達の姿にはとても共感出来ました。


物語の中で起こる事件については真相が読者にも明かされないのだけれど、それは突き放すような沈黙ではなく、想像力を生かすことの出来る余白なのだと私は思う。

人によっては「結局あれはなんだったの?」と思うかも知れないけれど、自由に物事を想像するコトを楽しむコトが出来れば、この物語を読んだ後の満足感は大きいのではないかと。
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