著・よしもとばなな
沖縄を舞台にした短篇と中篇の作品が4作収録されています。
海の持つ力とか海沿いの街の開放的な空気とかの描き方が、ただキレイなだけではないあたりがよしもと先生らしいなと思いました。
旅をする人とその土地に住む人とでは、同じ場所にいても気持ちは違う。
そういう繊細で、言葉には表現しにくく、でもたしかにあるものが丁寧に描かれていて、読んでいて目が覚めるような場面が沢山ありました。
人と人との出会いと別れの数々が、沖縄という土地を通して切なく暖かく描かれている素敵な作品でした。
”なんてことない、どうにかなるさ大丈夫”という意味だという「なんくるない」という言葉に優しく心を打たれます。
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