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著・宮本輝

宮本氏のデビュー作。
短編2作収録の文庫本。
ものすごくよかったです。

泥の河では、戦後間もなく、高度経済成長を始める前の大阪の町と、そこにさまざまな形で生きる人々が力強く描かれていました。
陰鬱な世界観の中にも色気を含んだ文章。
登場人物たちの表情が、まるで実際に見ているかのように頭の中に浮かびます。


もう一作の蛍川では、登場人物の心の動きの繊細さを見事に描ききっていて、登場人物達と共に感情が激しく揺れました。
蛍狩りに行き、現実とは思えない程の蛍を目にするシーンでは、文章の比喩の美しさにため息がでるほどでした。
とても感動した作品でした。
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