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著・宮本輝

宮本先生の本はこの数ヶ月の間に結構色々読ませて頂きましたが、この小説は展開がなかなかドラマチックな感じでした。
今まで私が読んできた作品は多分全部に近いくらい殆ど関西が舞台だったのですが、この作品は関東周辺が舞台…というか登場人物達が標準語でした。
それによって感じる非現実的な小奇麗さが、ある意味新鮮でした。
まぁただ単に私が関西人だから関西弁の方が親しみがあるってだけなんですけれど。

ふとした偶然が重なり男女4人がマンションで共同生活を送ることになり、やがて2組のカップルが成立するのですが、それぞれが抱える悩みや問題の波が次々と襲ってきて苦悩・苦戦する懸命な姿が温度のある文章で描かれていました。

人は結局いつでも誰かの為にしか生きる意味を見出せないのかもしれない。
それは時に幸せで温かく、時に残酷で恐ろしいものであるということを、物語の展開と共に読者に訴えかけている気がしました。

オトナっぽい小説でしたね、なかなか。

ドラマチックだなぁと思っていたら実際ドラマ化もされているようです。

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